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      西国第一番札所 那智山 青岸渡寺 (なちさん せいがんとじ)

         本  尊 : 如意輪観世音菩薩          真  言 : おん ばらだはんどめいうん
         秘  仏 : 節分(2月)開山祭(4月)お盆(8月) 年3回開扉
         開  基 : 裸形上人(らぎょうしょうにん)          開  創 : 仁徳天皇時代(4世紀)
         宗  派 : 天台宗
         御詠歌 : 「補陀洛(ふだらく)や 岸うつ波は 三熊野(みくまの)の 那智のお山に ひびく滝津瀬(たきつせ)」




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納経帳 と カラーの御影(おすがた)
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本堂 「如意輪堂」(南紀唯一の重要文化財)
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本堂 (桃山時代の建築様式)
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秀吉の寄進文を刻んだ直径1.35m-450Kgの青銅製の大鰐口  
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仁王門  3.2mの金剛力士像は湛慶の作と伝わる。
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清浄水 (手洗水) 延命の水 水源は那智の大滝
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釣鐘堂 (1324年(元亨四年・鎌倉時代)鋳造)
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三重塔 (飛滝権現本地千手観音)と那智の大滝
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■ 略縁起・歴史・由来

 約1600年前に、インド天竺の僧、裸形上人(らぎょうしょうにん)が 熊野の浦に漂着した際、那智の大滝において修行され
 その暁に、滝壷で24cmの観音菩薩を感得し、ここに草庵を営んで安置したのが始まりと伝えられています。

 推古天皇の頃、大和の生佛上人(しょうぶつしょうにん)が来山し、前述の話を聞き一丈(3m)の如意輪観世音を彫み
 裸形上人が感得した24cmの観音菩薩を胸佛に納め勅願所として正式に本堂が建立されました。

 約1000年前に、花山法皇が那智に来られて、修行のため那智の奥の山で千日間の行をされました。
 満願の御礼として那智の観音さんを一番として、近畿一円の観音さんをお詣りしたのが西国霊場のはじまりです。草創1300年。
 観音さまは三十三に身を変えられることから、西国霊場は三十三所の霊場となりました。

 平安朝中期から鎌倉時代には、「蟻の熊野詣」といわれ、熊野三山の信仰がさかんになり
 天皇上皇の尊崇も深く、人皇65代花山法皇が滝の上の山中に庵を造り、3ヶ年ご修行の後、西国三十三ヶ所観音霊場巡拝の旅に出られました。

 青岸渡寺と称するようになったのは、明治の神仏分離令から。もともと那智の滝を中心にした神仏習合の一大修験道場だったが、青岸渡寺と那智大社に分離した。

 青岸渡寺尊勝院は、中世以降は天皇、皇族の熊野詣での宿泊所にあてられていました。
 不開門は、同院の入り口にある唐破風の四脚門で有名です。
 なお、大正7年に那智の滝参道口・沽池と呼ばれるところから発掘された、飛鳥・白鳳時代から鎌倉時代初期にかけての熊野信仰を知る貴重な那智経塚出土品のうち
 白鳳、奈良時代の観音菩薩立像、また藤原時代後期の金剛界三昧耶形(曼荼羅を立体的に表現)が国指定重文になっています。

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■ 境内模様・見所

 境内からは那智の大滝、那智原始林、そして観音さまが住まう方角ともいわれる南の海(那智湾)を望むことが出来る。

 ●山門
   500段の石段の上は聖と俗を隔てる結界。ここから先は祈りの地。金剛力士像の後ろには狛犬が祀られています。
 ●鐘楼
   作法では本堂に行くまでに鐘をつきますが、ここは時を告げる大切な鐘のためつくことは出来ません。
 ●本堂 (如意輪堂)
   織田信長の焼き討ちの後、天正18年(1590)豊臣秀吉が再建されたもので、桃山時代の建築様式を伝える重厚な建物であり、重要文化財に指定されている
   18mあるこの本堂は、那智の大滝の落口の高さと同じであるといわれています。
   大鰐口はその際に秀吉より寄進され、再興の趣旨が刻まれている。
 ●御前立 如意輪観世音菩薩
   その霊験で人々の苦しみを取り除き、智慧や財産などこの世に生きる利益を与えて下さる観音さまです。
   右胸の前にかざされた手の平には、如意宝珠と呼ばれる全ての願いを叶えるものを持ち、右ほほにそっと指をつけ心の中深く思いを廻らされておられます。
   頭には立派な冠。胸元には美しいアクセサリー、それはそれは息をのむ美しさです。
   六観音の一つに数えられ天界道に迷う人々を救うとされるが
   六本の手で六道全てに救いの手を差し伸べるともいわれている。
 ●宝篋印塔
   供養塔、墓碑塔として建てられているが、元々は違った目的で建てられていたものらしい。現在見られる形は鎌倉時代以降に成立したものといわれている。
   この「宝篋印塔」は、鎌倉時代建立 元享2年(1322年)の古い形とされ、国指定重要文化財に指定されている。
 ●那智山宿坊 「尊勝院」
   室町時代には天皇も宿泊されたという由緒ある建物が境内の南側に肩を寄せ合うように建っています。
 ●三重塔
   内部には飛滝権現本地千手観音が安置されており、壁面には彩色の金剛諸界仏、観音、不動明王などの壁画が描かれている。
   塔の二、三階は展望所になっていて、特に二階は那智大滝の展望場所として、滝とほぼ同じ高さから望むことが出来ます。
 ●熊野那智大社  御創建1700年
   本堂の西に隣接。 仏を祀るお堂、神を祀る社が並ぶ神仏習合の霊場として古くより民衆の信仰を集めてきた。
 ●那智御瀧
   滝壺までの落差は133m、一段の滝では日本一。三重塔から滝へは森林浴の古道を歩き約20分です。
   熊野那智大社別宮 飛瀧神社(ひろうじんじゃ) では、延命長寿のお瀧水を戴くことが出来ます。
   この水は花山法皇縁の水で、千日の滝籠り修行をおえる時、九つの穴の開いた貝殻を滝壺に沈められ、その後一口飲めば10年長生きするといわれる霊水になった。
   

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■交通
  JR紀勢本線(きのくに線) 紀伊勝浦駅
  熊野交通 熊野路・路線バス 那智山方面行き 那智山まで30分。
   ( 熊野古道を歩く場合は、大門坂バス停下車。 思いをはせながら約25分で那智山本参道の石段です。)

■毎年3月下旬〜5月上旬 本堂内にて特別拝観
  観世音菩薩像(白鳳時代)など、様々な文化財を拝観出来ます。
    

境内 境内  



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