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      西国第六番札所 壺阪山平等王院南法華寺 (つぼさかやまびょうどうおういんみなみほっけじ) 通称 壺阪寺

         本  尊 : 十一面千手千眼観世音菩薩          真  言 : おん ばざら たらま きりく
         秘  仏 :
         開  基 : 弁基上人          開  創 : 703(大宝3)年
         宗  派 : 真言宗豊山派
         御詠歌 : 「岩をたて 水をたたえて 壺阪の 庭にいさごも 浄土なるらん」





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納経帳   カラー御影
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貞慶解脱上人が建立に係った仁王門
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禮堂 (国指定重要文化財) と 八角円堂
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十一面千手千眼観世音菩薩  
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手水舎
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釣鐘堂
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三重塔 国指定重要文化財
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投身の谷の上に立つお里澤市の像
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■ 略縁起・歴史・由来

 壷阪山に庵を結んでいた元興寺の弁基上人は水晶の壷を愛でていたが、その壷の中に千手観音像を感得したという。
 弁基上人はその姿を刻み、像を坂の上に安置した。これがこの寺の創始と伝えられている。壺阪の名もこれに由来しているという。
 元正天皇はこれを知り、養老元年(717年)に八角殿を建て、ここに壷と観音像を安置し、南法華寺の名を与えたという。

 当寺の本尊は眼病に霊験のある仏として昔から信仰され、元正、一条、桓武天皇をはじめ眼病平癒を祈願する人は多かったとされている。
 特に、近年当寺が眼病患者を救う観音を祀る寺として有名になったのは、明治時代に失明回復祈願にまつわるお里沢市の夫婦愛を描いた浄瑠璃
 壺阪霊験記が世間に共感をよんだことによるといわれている。

 「 壷坂霊験記 」
   今より三百年以上昔、座頭の沢市は三つ違いの女房お里と貧しいながらも仲睦まじく暮らしていた。
   沢市は盲目ゆえ琴三味線を教え、お里は内職というなんともつつましい暮らしであった。
   そんな沢市の胸中に一つ不安が生まれていた。というのも明けの七つ(午前四時)になると、お里が毎晩床を抜け出していたからだ。
   「もしや好きな男が…」と問いただすと、お里は沢市の目の病が治るよう、この三年もの間欠かさず壷阪寺の観音様に朝詣でをしていると訴える。
   疑った自分を恥じる沢市はともに観音様にお参りすることにしたが、心の中は盲目がゆえに不遇な暮らしをしているのだと自分を責める。
   そして、一度お里を家に帰して、お里を自由な身にしてやろうと自分の身を投げてしまうのであった。
   不吉な予感であわてて戻るお里は、非常な現実に遭遇し、自らも身を投げてしまう。
   しかし、二人のせつない夫婦愛が、観音様の霊験により奇跡が起こり、沢市・お里は助かり、沢市の目が開眼した。
   本堂横手には、そのお里、沢市が身を投げた、投身の谷と言い伝えられている谷がある。


 南法華寺はインドとの関係が深いが、これは当寺がインドにおけるハンセン病の人々の救済活動を行い、インド各地で奨学金事業、学校運営助成など種々の事業を通じ国際交流を展開していることによっている。
 更に、当寺は昔から眼の不自由な人々の信仰を集めていたことから、養護盲老人ホーム慈母園の開設など、盲老人福祉事業を行っていることでもよく知られている。
 目の不自由な人々が、その嗅覚と聴覚と触覚によって自然を楽しめるように作られた「匂いの花園」や「点字図書館」なども設けられています。

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■ 境内模様・見所

 春から初夏にかけて、やまぶき、つつじ、ラベンダーが咲き誇り、秋には境内一円のもみじや周辺の山々が色づき紅葉の風景が広がります。
 重要文化財の本堂礼堂、三重塔と伴に大講堂はじめ、多宝塔、灌頂堂、慈眼堂などの平成の新伽藍が広がります。
 標高300mの境内の敷地は1万坪ですが最盛期には10万坪あった。世界最大級の天竺渡来大観音石像、大涅槃石像、大釈迦如来石像、等々、巨大石像群がシルクロードの香を漂わせる。

 ●仁王門
   仁王尊は各、一丈一尺の大きさであり、背後からの釣金の助けなく立たれている。間口の広い独特の建築は建暦2年(1212)建立された。
 ●多宝塔
   本尊は大日如来(平安時代)。 平成15年 壷阪寺開創1300年を迎えるにあたり、多くの信徒の勧進により建立された。
 ●三重塔
   室町時代の建築ですが、各層の寸法や内部構造にいたるまで三重塔建築の典型例として、「国指定重要文化財」に指定されている。
   通常、手先の肘木を内側に延ばしてつなぐが、二段目、三段目の肘木もつないで構造を強化している。
 ●禮堂(らいどう)
   この御堂は、八角円堂の本尊を礼拝するために建てられた。当寺の創建当初から、建てられていたと伝わっている。「国指定重要文化財」(室町時代に再建)
   昭和解体修理時に行われた地下発掘調査並びに残存していた部材から、室町時代の禮堂の姿が判明し、御堂の大きさ等を室町のそれに戻して、再建されている。
 ●八角円堂
   本尊十一面千手観世音菩薩を祀る八角形の御堂。現在の八角円堂は江戸時代の再建大宝3年(703)と言われる。
   持統天皇を霊を慰めるために建てられたという説もあります。
   御堂には回廊が設けられており、二上山や葛城山を望むことが出来ます。いずれにしてもここがいにしえからの聖地であった事は間違いありません。
   壷阪寺の本堂は日本で初めて建立された八角堂ではないかという学説も出ている。

 ■本尊・十一面千手千眼観世音菩薩
   本堂の八角円堂の中心に安置されている本尊千手観音坐像は、蓮華座の上に、大きく、たくましい姿で座しておられます。寄せ木造りで室町時代の作。
   目の病に悩む人々を救う観音として広く信仰を集めています。御前にて仰げば、誰しもが眼病封じのご利益を感じ取ることでしょう。
   実際には、他の観音さま同様、半分目を閉じた半眼なのですが、人々の願いを聞き漏らすまいと、少しお顔を伏せられているため、大きく目を見開いているように見えます。
   頭上の化仏、背後の光背など 少し赤みを帯びた彩りで、人々の厄を祓う為に、一心に念じられているかのお姿。
   肩の上に掲げられた赤い宝玉をお持ちの手は、日精摩尼手(にっせいまにしゅ)。闇夜を照らす太陽をあらわし、心の目を開く手とも言われています。
   ふくよかさ、柔らかさと力強さ、たくましさが同時に伝わってくる何とも印象深いお姿に、時のたつのも忘れ、ただただ合掌するばかり。

 ●お里観音堂
   礼堂の東には、「壷坂霊験記」にまつわるお堂があります。 本堂の「沢市の杖」に触れると、たちどころに夫婦円満、良縁成就が叶う杖と伝えられている。
 ●めがね供養観音
   お里、沢市の像の隣にあり、ご本尊のご利益からメガネやコンタクトレンズを供養する現代の観音さまです。
 ●天竺渡来 大石堂 (納骨永代供養堂)
   インド・アジャンタ石窟寺院をモデルとし、延べ12万人の日本・インドの人々によって彫刻、組み立てられた総重量1,500tにおよぶ壮大な石の御堂。
   最奥部には納骨室を設けており、皆様のご先祖の御霊を慰霊することができます。
 ●天竺渡来 大観音石像
   石像はインドハンセン病救済事業の縁でインドから招来されたもので、昭和58年(1983年)3月に開眼された。
   3億年前のものというインドの古石花崗岩を原材料として、7万人の人手によりインドで制作された。高さは約20mで総重量約1200トンあり、66個に分割して運ばれ、日本で組み立てられたという。
   土台には数万巻の写経と土台石が、胎内には数十万巻の写経と胎内石が納められているという。



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■ 交通
   近鉄 吉野線 壺阪山駅 (大阪あべの橋より吉野行き 特急で約40分)
   奈良交通バス 「壷阪寺前」行きにて約10分です。

■もう一つの霊験記 さよ姫伝説
   壷坂の村に住む姫君が、尊い聖の説法にでかけ、親孝行する者には仏神が感応すると聞いた。
   貧しくて父親の十三回忌に何もできないのを悲しんでいると
   たまたま陸奥国の商人が15〜16歳の女性を買いに来たので、進んで我が身を売り、そのお金で父親の菩提をとむらうことができた。
   母を残し、遠い陸奥国まで来た姫君は、15〜16歳の女性が必要とされた理由を知る。
   ここでは毎年、大蛇に人のを供えなければならず、ある親が娘の身代わりを求めていたのである。
   決められた池の中嶋で待つと、やがて長さ10丈(30メートル)もある大蛇が現れた。
   しかし姫君が御経を読むと、経典読誦と親孝行の功徳により、大蛇は成仏を確信して歓喜し、姫君を乗せて天に昇る。
   姫君は実は弁財天、大蛇は実は壷坂の観音菩薩であり、末世においても信心があれば二世安楽うたがいなしと結んでいる。

■ 年間行事
    ●眼病封じ祈願会
     春 5月18日  秋 10月18日
    ●大雛曼荼羅(おおひなまんだら)
     3月は、雛人形と、平安鎌倉期の古物を同時にお祀り。
    ●毎月18日【 2月、6月、7月を除く】は,観音ご縁日。
    住職の法話会と各種法要、行事を開催。
    ・時間 住職法話会   11:30〜12:30 
    ・昼食(ご接待)     12:30〜13:30
    ・法要・行事        13:30〜14:30 (行事内容により終了時間が変わります)
    ・会場 壷阪寺大講堂 
    ・参加方法
      参加無料(要予約)参加希望の方は電話・FAX・はがき・メールにてお申込下さい。
      粗飯ではございますがご昼食をご用意(無料)致しますので、必ず事前にご予約下さい。
      〒635-0102 奈良県高市郡高取町壷阪3番地  TEL 0744-52-2016 FAX 0744-52-3835

境内   



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