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      西国第十七番札所 補陀洛山 六波羅蜜寺 (ふだらくさん ろくはらみつじ)


         本  尊 : 十一面観世音菩薩 (ご利益は無病息災、病気厄難を避ける)          真  言 : おん ろけい じんばら きりく そわか
         秘  仏 : 12年毎の辰年に開扉
         開  基 : 空也上人          開  創 : 951(天暦5)年
         宗  派 : 真言宗智山派
         御詠歌 : 「重くとも 五つの罪は よもあらじ 六波羅堂へ 参る身なれば」




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納経帳   カラー御影
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山門はなく本堂の正面に門がある 普段は南入口から
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日本最古 都七福神の一つである 「福寿弁財天」
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縁結び観世音菩薩像が温和な表情で迎えてくれる                 
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内陣に空也上人自身が刻んだ本尊を安置
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「本堂」 軒下の飾り彫刻は修復され極彩色が綺麗
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「平清盛公乃塚」 1183年の平家没落まで繁栄が続いた
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「阿古屋塚」 近松門左衛門の浄瑠璃の名場面
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■ 略縁起・歴史・由来

 六波羅蜜寺は、951年に醍醐天皇の第二皇子 光勝空也上人(平安時代中期)により開創された西国第17番の札所である。
 当時京都に流行した悪疫退散のため、上人自ら十一面観音像(今のご本尊)を刻み、御仏を車に安置して市中を曵き回り
 青竹を八葉の蓮片の如く割り茶を立て、中へ小梅干と結昆布を入れ仏前に献じた茶を病者に授け、歓喜踊躍しつつ念仏を唱えてついに病魔を鎮められたという。

 鴨川の東から東山の山麓にかけては、平安時代六波羅鳥辺野と呼ばれる葬送の地でした。「鳥辺野」とは、平安時代の火葬場や墓地のことです。
 昔この寺の境内は広大で、平家一門の邸館(平家物語の「平家の六波羅の館」名がついた)や鎌倉幕府の「六波羅探題」(たんだい)が置かるなど、源平盛衰の史跡の中心でもあった。

■ 開山の空也上人
 空也上人(903〜972年)は、「市聖」(いちのひじり)とか「阿弥陀聖」ともいわれる方で、浄土宗を開いた法然(1133〜1212年)よりもかなり以前に、南無阿弥陀仏を唱え、各地を遍歴し苦しむ人々のために生き抜いた僧です。
 上人は、一生一介の僧として過ごし、庶民の為に生きる道を選びました。貧しい人々や病人を救い、井戸を掘るなどされて人々から敬れました。

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■ 「六波羅蜜とは、この世に生かされたまま、仏様の境涯に到るための六つの修行をいいます。波羅蜜とは彼岸(悟りの世界)に到ることです。」
 ◆布施
  見返りを求めない応分の施しをさせていただく事をいいます。貪欲の気持ちを抑えて、完全な恵みを施すことです。布施行は物質だけではありません。
 ◆持戒
  道徳・法律等は人が作り現在はますます複雑になっています。私たちは高度な常識を持ち、瞬時瞬時に自らを戒める事が肝要です。
 ◆忍辱
  如何なる辱めを受けても、堪え忍ぶことが出来れば苦痛の多い現代社会において、自らが他の存在に生かされていることがわかり、全ての人の心を我が心とする仏様の慈悲に通じることとなります。
 ◆精進
  不断の努力をいいます。我々人の生命は限りがあります。ひとときも無駄にすることなく日々誠心誠意尽くすことです。
 ◆禅定
  冷静に第三者の立場で自分自身を見つめることをいいます。
 ◆智慧
  我々は本来仏様の智慧を頂戴してこの世に生をうけております。しかし、貪りや怒り愚痴によってその大切な智慧を曇らせてしまいがちです。
  布施・持戒・忍辱・精進・禅定の修行を実践しどちらにもかたよらない中道を歩み、此の岸から彼に岸へ・・・。

  衆生済度(しゅじょうさいど)とは、仏・菩薩が衆生を迷いの苦海から救済して彼岸に度(わた)すこと。人々を救って悟りを得させることです。

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■ 境内模様・見所

 年中行事として、正月三が日の「皇服茶」(おうぶくちゃ)、八月の萬燈会(まんとうえ)、かくれ念仏として知られる十二月の空也踊躍(ゆやく)念仏(国の重要無形民俗文化財)が有名である。

 重要文化財に指定されている「地蔵菩薩坐像」、「地蔵菩薩立像」、「地蔵菩薩図」が所蔵されている。
 地蔵菩薩は六道に迷える人々に代わって苦しみを引き受ける仏とされており、冥土への入り口とされている六道の辻に近い六波羅蜜寺は地蔵菩薩に対する信仰も特別に篤いようである。
 この場所に地蔵尊が祀られていることも地蔵菩薩信仰と無関係ではないものと思われる。






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