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      西国第三十一番札所 姨綺耶山 長命寺 (いきやさん ちょうめいじ)


         本  尊 : 千手十一面聖観世音菩薩三尊一体(千手観音、十一面観音、聖観音)         真  言 : おん ばさら だるま きりく そわか
         秘  仏 : 開扉は不定期
         開  基 : 聖徳太子          開  創 : 619年(推古天皇27年)
         宗  派 : 天台宗系単立
         御詠歌 : 「八千年や 柳に長き 命寺運ぶ歩みの かざしなるらん」




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納経帳   カラー御影
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湖岸から808段の階段は健康長寿を願う。
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本堂入り口は西側から   (ご本尊は南向きにお祀りされている)
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『六処権現影向石』 本堂右奥。天地四方を照らす岩という意味。  
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鐘楼、護法権現社、三仏堂(薬師如来、釈迦如来、阿弥陀如来)
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「修多羅岩」 と呼ばれており、開山、武内宿彌のご神体
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三重の塔は重要文化財(桃山時代の遺構) 大日如来を安置
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伽藍  神仏の聖地とあらためて感じいります。
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■ 略縁起・歴史・由来

 武内宿彌(たけのうちのすくね)が、当山に登り、柳の木に「寿命長遠諸願成就(じゅみょうちょうおんしょがんじょうじゅ)」と刻み祈願したところ、300年以上も長寿を保ち、6代の天皇に仕えた。
 (武内宿彌は、大和朝廷初期から、第12代景行天皇(日本武尊ヤマトタケルの父)・成務天皇・仲哀天皇・応神天皇・仁徳天皇 と244年にわたり仕えた・・・)
 その後、聖徳太子が此の山に来臨され、柳の巨木に「寿命長遠諸願成就」の文字と観世音菩薩の御影を拝され感歎された。 
 その時、白髪の老翁が「此の霊木で千手十一面聖観音三尊一体の聖像を刻み、伽藍を建立すれば武内大臣も大いに喜び、諸国万人等しく崇拝する寺となるであろう」と告げ失せられました。
 太子はこのお告げの通り、この柳の木で千手十一面聖観音三尊一体の像を刻み、武内宿彌長寿霊験の因縁で長命寺と名付けたのがこの寺の創始とされている。

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■ 境内模様・見所

 標高250m、808段の階段(25分位)、本堂、三重塔などの建つ境内から琵琶湖が一望できる。

 ■ 聖徳太子礼拝石(らいはいせき)
    山門近くにあり、柳の木に 「寿命長遠諸願成就」 の文字が浮かび、観音さまの姿を拝まれた場所で、これが長命寺の名の由緒となっている。
 ■ 冠木門(かぶきもん:門柱に屋根がなく、冠木(笠木かさぎ)を通している門の総称)
    礼拝石より100段ほどにある。その簡素なつくりがここからは聖域である事を印象付けます。

 ■ 本堂 (重要文化財)
    入り口は、お堂をまわった西側にありますが、ご本尊は南向きです。
  ● 内陣中央に「千手観世音菩薩」、向って右に「十一面観世音菩薩」、左に「聖観世音菩薩」が一緒に祀られており、三尊一体の御本尊とされます。
  ● ご本尊は秘仏のため、普段は本尊御前立の千手観世音菩薩様にまみえます。
    そのお姿は、心持ちこちらに向かって歩みだされているかのようです。
    きりりと結ばれた口元には人々を救わんとの誓いの強さが現れていて、優しさと強さが同時に伝わってくる有難いお姿です。
  ● 厨子の左手には「毘沙門天」、そして右側には「不動明王」が立ち、観音さまを守護します。

 ■ 三重塔
    各層の屋根はこけら葺きで、とても軽やかな印象の美しい塔です。
    塔の中は、「大日如来」を中心に、「四天王」が周囲を守り、外観とは対照的に重厚で厳粛な雰囲気が漂います。
    柔と剛、静と動など、相反するものが溶け合ってかもし出される平常のおごそかさを表しています。
 ■ 護法権現社拝殿 (ごほうごんげんしゃはいでん)
    境内奥の檜皮葺の護法権現社拝殿は、武内宿彌(たけのうちのすくね)を遥拝する場所です。
    護法権現社は、奥津島山(往古の昔、おくつしまやまは琵琶湖で最大の島でした。)を開いた武内大臣を祀る社です。
 ■ 長命寺の巨石伝説
    巨石にまつわる数々の伝承が伝わる長命寺。それは二千年近い年月、人々がこの地を神聖な場所とあがめてきた事の証です。
  ●『六処権現影向石』 (ろくしょごんげんようごうせき)
    本堂右奥にあるのがこの石です。天地四方を照らす岩という意味で、長命寺開闢(かいびゃく)の武内大臣が、ここで長寿を祈願し、三百歳の長寿をまっとうしたというものです。
  ●『修多羅岩』 (すたらいわ)
    本堂を降りて三仏堂の前を通り、右斜面にあります。修多羅とは、お経典を指し、仏教用語で天地開闢・天下太平・子孫繁栄の意味。     そこから転じて、仏法をこの地において未来へと伝えていく意味を込めて、護法のしるべとして聖徳太子が名付けたと伝わる。
  ●『飛来石』
    太郎坊大権現の右手にあり、太郎坊が京都の愛宕山から投げた石という伝説があるそうです。
 ■ 三仏堂
    本堂と護法権現社拝殿の間にあり、「釈迦如来」、「阿弥陀如来」、「薬師如来」の三尊をお祀りしている。
 ■ 鐘楼
    袴腰がギュッと締まった美しいプロポーション。 鐘は琵琶湖の龍神が観音さまに捧げた供物だと言い伝えられています。
    他に、この鐘楼は「大津の松ヶ崎に現れ、そして長命寺に運ばれたところ、夜ごと龍が長命寺に明かりを灯した。」というすごい伝説も残っています。
 ■ 太郎坊権現社 (ふもんぼうごんげんしゃ)
    この地で修行をし、長命寺を守るため、大天狗になった太郎坊を祀るお社。空を飛んだり、風雨を呼ぶ霊力を持っていた。 
    京都の愛宕山でも修行を重ねた太郎坊ですが、長命寺が懐かしく山上から投げた大岩が、長命寺の飛来石であると言われています。
 ■ 鐘楼奥には『如法行堂』があり、勝運将軍地蔵尊・智恵文殊菩薩・福徳庚申尊を祀る。そして更に奥には、商売繁盛の仏神である茶枳尼天(稲荷大明神)の小さな祠があります。


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■ 交通
  JR東海道本線 近江八幡駅北口より バスターミナル6番乗り場から「長命寺行き」にて約25分です。
  本堂まで808段の石段も約25分が自身のペースで。

■ 開山会 (かいざんえ)
   毎年二月一日
■ 千日会 (せんにちえ)
   毎年八月一日と二日 この日に参詣すれば千日分の功徳に値すると言われている。

境内   



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